ホテルを退職する話

ホテルを退職する話

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ホテルスタッフのきつさと楽しさ

ホテルという仕事は私自身望んでたものではありません。
知り合いからの紹介で成り行きでなったようなものです。

ホテルスタッフになった直後は学ぶことの連続で辛さがありました。
例えば、最寄りの大きな駅までの行き方、市内だけでも膨大な数があると言われる西鉄バスの番号と案内、駐車場への行き方、周辺道路の一方通行等の理解。
この旅行会社は~のような精算方法であるとか、PMS(Property Management System-ホテル管理システム)の使用方法など。
働いてた勤務先では日常業務全てを理解するのに少なくとも3年はかかりました。

また、アッパーミドルと呼ばれる価格帯のビジネスホテルで勤務していましたが、様々な客層が来るものです。
普通のビジネスマン、AMEXセンチュリオンを持った社長さん、老夫婦、ラブホ代わりのカップル、インバウンド。
ビジネスマンは泊まりなれているので要所だけ説明すればいいのですが、観光客は泊まりなれていないので丁寧な説明をしなければなりません。客それぞれに適切な対応が求められます。

そして、ホテルのフロントは忙しく言い方は悪いようですが自身で調べたほうが早いものや周りを見渡せばわかるような事でも聞いてくるお客様だらけです。チェックインは止まることを知りません。客室から電話も来ます。外線電話も取らなければなりません。
手を止めることなく宿帳情報をPMSに入力して行かなければなりません。
そんな中でも、クレームや残室管理など冷静・適切な判断を即座に下さなければなりません。
間違えれば、お客さんを他のホテルにオーバーブッキングでタクシーでお送りすることになるか、お詫びが待ち受けていることでしょう。
「部屋の設備不備で怪我をした。訴訟されたくなかったら10分で非を認めて示談にするか決断を出せ、そうじゃないなら訴える」と言われたこともあります。

そんなきつさはありますが、多くのお客様に「ありがとう」といってもらう事が楽しくもあり、一番の醍醐味であり、それらに向かってスタッフがチームとなって励むので社内環境はすごく良さげです。

最初はクレームをだしてきて怒ってたお客さんが、私を気に入ってくれたらしく名前を覚えてくれて懇意にしてくれたりとか、色々あるものです。

なぜやめるのか

辞める理由は「給与」「人員」です。

コロナ渦、観光業界は大打撃を受けました。
私も昇給は疎か、ボーナスカットや基本給まで削られました。
ただでさえ雇用形態やプロパか本社籍かどうかによっては低賃金なのに、基本給まで削られ「家賃が払えない」「外国人の旦那と結婚しているが、年収が保証人としての条件を満たせるか危うい」という後輩も現れました。

そして、会社は経営状態から多くの事業所の閉鎖をおこないました。

こんな状態を見て、私を含めて多くの社員はモチベーションを失ったのでしょう。
事業所の1/4を超える社員が早期退職制度でやめていき、その他の有望だった社員も数多く見限ってやめていきました。

私は会社にしばらく残る気でしたが、ただでさえ今まで満室時に捌けなかったのに、ここまで人がやめては業務ができないと感じると共に、会社に対して徐々に不信感が募って行きました。
1000円払えば誰でも見れるリスクモンスターの評価を叩いてみて、自社の与信が上の方から下に墜落していけば誰でも不信感は出るでしょう。

そんなこんなから、私もやめていった同僚と同じく転職活動を始め、転職先から内々定をもらい、無事エンジニアとしての一歩を踏み出すことになりました。

今後のホテル業界

ホテル業界はコロナ渦を乗り切るために、借金を増やしたのはいいものの、今後返しきれず倒産するところも出てくるはずです。

各社の決算を見てますが、自己資本比率を半分にまで減らしたところも数多くあります。
財務制限条項抵触ギリギリなところは、銀行に言われるまま不動産を売り払うところも出てくるはずです。
不動産=ホテルを売り払うということは社員を削るということですが、背に腹は代えられません。
財務制限条項に基づいて借入金の一括返済もあり得るわけですので。

にしても、アパホテルは強いですね。留まるところを知らない。https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2105/26/news023.html
このコロナ渦においても黒字決算とは…。